FIDIAグループが掲げる採用コンセプトである「友達採用」について、FIDIA株式会社 取締役副社長 橋本 雄一氏にインタビューを実施しました。
友達採用とは、人を「労働力」としてではなく、人生をともにする「友達」としてむかえるFIDIAの考え方です。
「人をモノのように扱わない」という信念をつらぬいた先に生まれたあり方で、雇用を「契約」ではなく「覚悟」、会社を「お金を稼ぐしくみ」ではなく「コミュニティ」ととらえます。
条件だけでなく、一緒にワクワクできるか、友達になれるかを大切にし、仕事を「人生を前に進める時間」へ変える文化です。
――本日はよろしくお願いします。まずは「友達採用」が生まれた背景からお聞きできればと思います。
これ、長くなってもいい?
――もちろんです。むしろ、じっくり聞かせてください。
実は、森さん(FIDIA株式会社 代表取締役)と西さん(elumild株式会社 代表取締役※)が幼稚園からの幼なじみなんですよ。すごくない?そんな会社、聞かないでしょ(笑)
※FIDIAのグループ会社で、EC事業に取り組んでいます。
――確かに、かなり珍しいですね。
友達が友達を呼んで、気づいたら会社になってた、みたいな。もうその時点で、だいぶ普通じゃない(笑)
――その雰囲気が、今の「友達採用」につながっているんですね。
そうそう。あとで振り返ると、全部ここから始まってるなって思う。
――橋本さんご自身は、人材業界が長かったんですよね。
そう。正直に言うと…しんどかった(苦笑)人材ビジネスって、どうしても人を数字とかモノみたいに扱ってしまう瞬間がある。
――避けられない構造でもありますよね。
そうなんよ。ビジネスとしては理解できる。でも心がついてこない。自分が嫌になっていく感覚があってね。
ある人材会社で取締役をしていたころ、「人材事業ちょっと教えますわ」みたいな軽い気持ちで、当時「Suprieve株式会社」だったFIDIAを助けに行ってん。それで「今やってる人材事業を見せてくださいよ」って言ったら、収支表のデータが出てきた。人の名前がずらっと並んでて、全部赤字(笑)
――普通なら、すぐ改善対象ですよね。
そう!だから言ったんですよ。「何してるんですか、これ」って。
そうしたら森さん「大丈夫です。そこは触らなくていいです」って。
――(笑)
理由は「この人たち、社員のお父さんやお母さんなんです。雇用をやめるわけにはいきません。」って。もう…言葉失ったよね。
FIDIAには「友達の、友達による、友達のための会社。」という言葉がある。「まさにこのことや!」って心をつらぬいてん。
「あ、この会社なら、人を大事にする人材会社が作れるかもしれない」って。その瞬間、景色が変わったね。
電車の乗り換えでね、奥さんに電話したんよ。「すごい会社見つけた。モノクロやった景色が今、カラフルに見えてんねん」って。
――奥さまの反応は?
「絶対うまくいくよ」って。条件も聞かずに(笑)
(ここで、テーブルに運ばれてきたのが、みかん入りのコーヒー)
これね、みかんコーヒー。くるくる回して飲むと、味変わるんよ。
――本当ですね。一口ごとに、みかんの香りが違いますね。
熊本の野村農園のおじいちゃんたちが作ってるドライみかんでね。そういう背景聞くと、よりおいしく感じるでしょ。
――ストーリー込みで味わう感じですね。
それが「友達」なんよ。顔が見える、想いが伝わる。それだけで世界がやさしくなる。
――そこから「友達採用」という言葉が生まれたんですね。
ほんまに、ポンって降りてきた(笑)神様の声かと思ったもん。
――かなりキャッチーですよね。
そう。「それ何?」って引っかかる。ラーメン炒飯と一緒(笑)
――ラーメン炒飯って何ですか?
そう!キャッチコピーの作り方。「ラーメン炒飯って何?」「ラーメンの中に炒飯入ってるってこと?」ってなるやん。「ハテナ」を作るからみんな見に来るわけ。「友達採用」もたった4文字やけど、非常にキャッチーで、FIDIAの軸を表す言葉なので、スマッシュヒットした。
――なるほど。
人生で一番つらいのは孤独。「愛が欲しい。」「友達が欲しい。」友達採用は人の心に届く言葉やね。
だから、ふつうの面接なんてしたくなかった。それで、採用活動では「友達とやること」をそのまま実践してん。お菓子を食べながら話をしたり、オフィスでパスタをふるまったり。天気の良い日には、一緒に散歩に出かけたり。
――完全に友達との過ごし方ですね。
「え、おいしいそれ。もうちょっとちょうだい。」
「ボロネーゼうまいよなあ。僕はトウガラシ入れんねん。」
「ほんならちょっと作ってくるから待っといてな。」
「散歩行こう。会議室でしゃべってても頭痛なるわ。」
「食後のコーヒーおいしいね。」
これが僕の面接。
――今はコロナもあって選考がオンラインになりましたね。
オンラインやから、ランチとか散歩をすることもなくなった。それでも、内定者に「入社の決め手」を聞くと、ほとんどの人がこう答えてくれる。
「友達採用です。」
石田さん(FIDIA SOLUTIONS株式会社 代表取締役)はもともと競合他社、つまり「敵」やった。明らかに「できる」オーラを放ってて、名刺交換をさせてもらってん。
――「敵」と名刺交換ですか。
それから会うたびに話すようになって、ご飯を食べたり、飲みに行ったりして友達になった。僕がFIDIAに入るタイミングで森さんに引き合わせて、一緒に入社することになった。
「敵すらも仲間にする。」なんて強いんでしょう、友達採用。
――すみません(笑)ちょっとインタビューの途中なんですけど……チーズトースト、来ましたね。
来た来た。これな、インタビュー中断してでも写真撮った方がいいやつやで(笑)あったかいうちにいこ。
――名前だけで、もうおいしそうですもんね。
そうやろ。世界一の小麦、世界一のバター、世界一のチーズ使ってるからな。世界一のチーズトーストを創る、がコンセプトやねん。
――知らなかったです(苦笑)パン自体がもう高級感ありますね。
せやろ。ナイフとフォークもあるけど、これは絶対、手で食べた方がうまいねん(笑)
(湯気の立つコーヒーがテーブルに置かれる)
見て、この湯気。冬しか見られへんやつや。写真撮った方がええんちゃう?
――じゃあ一枚だけ……あ、すみません、もう一回いいですか(笑)。
何回でもええよ(笑)
――ありがとうございます。うん……めっちゃチーズですね。
うまいやろ。チーズトースト食べて、コーヒー飲んで、インタビューして。しかも今日、俺誕生日やねん。最高のランチやわ。
――それは最高ですね(笑)
こういう時間がええよな。友達とおいしいもん食べる。それだけで、なんか幸せや。
――では改めてなんですが、「友達採用が目指す組織像」についてお聞きしてもいいですか?
組織像ね。ええ言葉やな。組織像って聞くだけで、なんかそれっぽいこと言わなあかん気してくるわ。
――たしかに(笑)
でもな、友達採用の組織像って、めちゃくちゃシンプルやと思ってて。会社って何なんやろ、組織って何なんやろって考えたときに、結局「人と人の集まり」なんよな。
その集まりが、ただの利害関係で終わるのか、それとも人生を一緒に進む仲間になるのか。友達採用は、後者を本気でやりたいっていう話やね。
仕事の関係やけど、仕事だけの関係じゃない。そんな組織を目指してるんやと思う。
でな、会社の本質って何やと思う?
――うーん……チームで社会の課題を解決すること、ですかね。
ああ、それめっちゃええ答えやし、合ってる(笑)合ってるけどな、俺はもう一個、もっと根っこのところがあると思ってて。
会社の本質は「雇用すること」やと思ってる。雇用を生むこと。それが会社である意味やと思うねん。
――雇用、ですか。
うん。社会課題を解決するって、実は個人でもできるやん。でも、雇用を生んで、給料を払って、その人が家族を養って、子どもが生まれて……って、そこまで責任もてるのは会社だけやと思うねん。
――たしかに、最近は個人でも影響力をもてる時代ですもんね。
せやね。SNSでも事業でも、個人で社会を動かせる時代や。でもな、それでも「会社」にする理由は何かって言ったら、やっぱ雇用やと思う。
一緒に働く人の人生に、一定の責任をもつ。それを選ぶから、会社って尊いなって思うねん。
雇用ってな、ただ時給払って、働いてもらうことちゃうねん。
――と言いますと?
「一緒に生きる」ってことやと思ってる。極端な話な。
――一緒に、生きる。
FIDIAが正社員雇用にこだわってるのって、そこやねん。有期雇用とか、単発の仕事とは違って、この人の生活、この人の未来に関わるってことやから。
一緒に飯食って、一緒に悩んで、一緒に笑って、一緒にしんどい時期も乗り越える。雇用って、そういう関係性やと思う。
――それが、友達採用の前提になっている、と。
そうそう。友達になれそうな人じゃないと、一緒に生きられへんやろ?(笑)だから友達採用なんよ。
FIDIAのカルチャーは、ルールで人をしばるものではありません。弱みや失敗をさらけ出し、それを認め合うことで、自然とうまれる信頼と団結こそが土台です。仕事を「ガマンする労働」ではなく、友達と挑む「ワクワクする時間」に変えること。
そして、「嫌われて成果を出す一流」ではなく、「好かれながら成果を出す超一流」を目指すこと。
――ここで少し話題を変えて、あの「謎解き合宿」の話を聞きたいんですが。
内定者向けに「謎解き合宿」をやってる。謎を解くとFIDIAのことがもっとわかるっていうもの。その夜、「ランタントーク」をする。
――どんなことをするんですか?
チームごとにランタンを囲んで話をするんやけど、自然と「弱み」や「失敗談」を打ち出す場になってん。それで、みんなで「それすごい」って言って拍手して称賛するねん。
――弱みを打ち明けるのは、勇気がいりますね。
そう。みんなの話きいているうちに、泣き始める社員や内定者が出てきたりして、素晴らしい団結をむかえるんよ。
FIDIAは「スマイラーズ」っていう、お笑い芸人だけで構成されたサッカーチームを運営してるんやけど、芸人の石橋さんにこんなことを言われてん。
「FIDIAのカルチャーって、芸人とめっちゃ似てますよ。」
――どういうことですか?
芸人の世界では「太ってる」「ハゲてる」「頭が悪い」とか、弱みをさらけ出す。それでみんなが笑ってくれて、それがめっちゃ気持ちええんやと。
――まるでランタントークですね。
友達採用の根っこも、まさにここにあるね。
もちろんお金を稼がないと生きていかれへん。ただそれだけのために仕事をするっていうのは、それを「労働」って言うね。お金だけがモチベーションの「労働」は心のエネルギーがどんどんすり減っていく。
――疲れますね。
よく「定年むかえたらお友達とカフェやろう」「旅行とかできたら幸せやな」って言う。最後の10年20年はええかもしれんけど、今が幸せじゃないと思うんよな。
――そうですね。
うちの経営理念は「さあ、定年したらワクワクを創ろう。」じゃないやろ?(笑)
――「定年したら」とは書いてないですね(笑)
ゲームテスターっていう仕事があんねんて。バグを見つけるために「ここの道、左に行ったから次は右に行かなあかん」って、何通りも全部試さなあかん。それがめっちゃしんどいらしい。
――数学の「場合分け」みたいですね。
でも友達とゲームするのなんか最高やん。お金もらってゲームするのはしんどいのに。でも、それも友達とやったら楽しくない?友達とワクワク仕事してほしい。
森さんがこういう風に言ってくれてん。
「『嫌われる勇気』って本、ありますよね。僕、あれ違うと思うんですよ。」
――どういうことですか?
社員に嫌われて業績達成するのは一流や。それはすごいことや。でも、「嫌われて成功する」って、本当に「成功」って言えるの?
――社員に嫌われていたら、気分は良くないですね。
「ワクワクしながら好かれて成功する」のが「超一流」だと思う。せっかくなんだったら、「超一流」を目指そうよ。
努力と頑張りだけじゃ無理。心から自ずと湧き上がってくるエネルギーの源。それは能動性。能動性を発揮するにはワクワクするしかない。友達とワクワクしながら仕事をするしか、大いなる飛躍は望めないんじゃないかな。
友達採用のメリットは、目に見える条件のよさだけでは測れません。
求職者にとっては、仕事の先に「幸せ」をおき、頼り・頼られる関係性の中で生きられること。一方、企業にとっては、強いカルチャーが根づき、採用・定着・成果が自然につながっていくことです。
友達とワクワク働く空気が当事者意識を生み、誇りをもって語りつがれる会社へと育っていく。その両立こそが、友達採用の価値です。
――友達採用のメリットについて教えてください。
お仕事っていうのは、働いた報酬を獲得するもの。そのお金の意味は、選択肢を増やして、ぜいたくな方にもっていける。まあ、それも幸せやとは思うけど、死ぬときにお金はもっていけない。
――そうですね。
かつてハーバード大学が75年かけて研究して、「幸せの定義」を見つけてん。
――「幸せの定義」ですか。
それは「頼り、頼られる関係性のコミュニティを築けているかどうか。」
ランタントークでも、弱みを出したら、みんなが称賛する。それって頼り、頼られの関係。だから友達って人生に絶対必要。仕事のゴールに、最初から「幸せ」を置いている。それが、友達採用のメリット。
――企業側にもメリットはあるんですか?
企業側のメリットは「カルチャーの浸透」やね。FIDIAの経営理念は「さあ、ワクワクを創ろう。」やけど、「さあ、(友達と)ワクワクを創ろう。」って、カッコで「友達と」って入っていると僕は思ってる。
――しっくりきますね。
ピータードラッカーの言葉に「カルチャーは戦略を朝食のごとく食べてしまう」というものがある。
戦術は枝葉。間違えることもあるけど、葉っぱが1枚欠けたところで木は死なない。
戦略は幹。幹が折れたら木は死ぬ。だから戦略は重要やねん。
カルチャーは根っこ。根っこが腐ったら終わりや。カルチャーはその戦略すら、朝食のように食べてしまう。それくらいカルチャーが一番大切。
――なるほど。
カルチャーがあるから採用しやすくなるし、カルチャーフィットする人が来てくれる。採用が、定着が、強くなる。この人たちと一緒にいたいから。それが競合優位性になる。
――競合優位性ですか。
カルチャーが浸透すると「労働」とは違って、「圧倒的当事者意識」が生まれる。「本物を創りたい」っていう思いがあって、商品力が上がる。
会社が大きくなると、心ない誹謗中傷だとか、悪口を言われることがある。でも、カルチャーがあれば、怖くなくなる。「全然大丈夫です。だって最高の会社ですから」って胸を張って言える。
「ママはFIDIAっていう会社で働いているのよ」って子どもに言う。「おばあちゃんはね、FIDIAっていう会社で働いていたのよ」って孫に言う。三世代にわたって愛されるような会社にしたいね。
――最後に、求職者へのメッセージをお願いします。
新卒採用の方も、中途採用の方も。これから新しく入ってくれる人は、僕にとって本当に「宝」だと思っています。
子どもを「子宝」と言いますよね。それと同じで、新しく仲間になってくれる人は、会社にとっての宝です。
だからこそ、お願いがあります。
就職活動に本気で向き合ってほしい。適当にやらないでほしい。
まずは、自分の価値を知ってください。自分がもっている可能性やポテンシャルを理解して、その未来にワクワクしながら、本気で会社を選んでほしいんです。
仮に、生涯賃金が平均2億円だとします。
もし「今、手元に2億円があります。それをどこかに投資してください」と言われたら、めちゃくちゃ悩みませんか?
人生は、それ以上に価値があります。
だから、迷っていいし、悩んでいい。労働条件、仕事内容、会社の考え方、歴史、働いている人たち。全部、しっかり見てほしい。
ただひとつ、間違えてほしくないことがあります。最後はロジックだけで判断しないでほしい、ということです。
結婚相手を選ぶとき、
「お金はあるけど、家族はちょっと…」
「性格は合わないけど、条件はいいから」
そんな計算だけで決める人、ほとんどいないですよね。
でも、就職活動では、それをやってしまっている人が結構いる。
最後は、自分の感性で決めてください。
ワクワクするかどうか。
楽しみな未来が思い浮かぶかどうか。
もし、うちの会社より他の会社のほうがワクワクするなら、迷わずそっちに行ったらいいと思っています。
自分の人生です。自分の足で選んで、自分の足で進んでほしい。
だからこそ、圧倒的な当事者意識をもって、自分の人生を最大限楽しむために、就職活動に向き合ってください。
本気で挑んでください。
僕たちも、本気で向き合います。絶対に手を抜きません。
お互いに本気で向き合えば、「この会社だ」と分かる瞬間が、必ず来る。
その日を、心から楽しみにしています。
あなたにお会いできるのを、心からお待ちしています。
――ありがとうございました。
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